私は、生まれも育ちも神石高原町です。昭和48年(1973)1月、県立神石三和病院に始まり、以来、町内の医療機関で勤務し続けてきました。そして令和5年(2023)3月に退職するまで、50年間、看護師として活動を続けてきました。その間、患者様としてお世話した方々や住民の方々から、さまざまなご相談をもちかけられるようになりました。そしてお話をうかがううちに、診療所のなかでは患者様のことがよく見えなかったということや、思いもよらない深い課題がある、ということに気がついたのです。
ご自分の体調に気づきにくい一人暮らしの方、老々介護状態のご家族、介護のために仕事を制限せざるを得ない方、親御さんが神石高原町に住んではいるけれども、子である自分が、神石高原町から遠く離れて暮らしているため、親の様子が心配だという方などなど。そうした方々は、健康管理はもちろん、病院で受診することすら困難を感じている方がいらっしゃいます。日常生活を送るうえで健康上の不安を拭い去ることができないという方々が、神石高原町にはたくさんいらっしゃるのです。その理由は、相談相手がいない、病院に行くこと自体が困難。そもそも自分の体調の異常に気づかないなど、さまざまです。それぞれのおかれた環境で、不便さや不安に耐えながら毎日を過ごされているのです。
『ナースコール神石』は、そういった方々のお役に立てるよう、困りごとの支援やご相談を承ります。ご家族の状態観察、健康管理から服薬確認、在宅みとりにいたるまで、長年にわたって培ってきた看護師としての知識と経験、広範なネットワークを活かしてお手伝いします。 神石高原町においては、過疎化に加えて高齢化、少子化に歯止めがかかりません。それでもここには顔なじみの人々がいて、住み慣れた場所。ここで生きていきたい、ここでしか暮らせない、という方々がたくさんいらっしゃいます。そうした方々が大好きな神石高原町で健やかに一生を終えられるように。わたしたちは、全力でサポートしていきます。
代表 髙橋 文子
プロフィール
髙橋 文子(たかはし ふみこ)
県立神石三和病院(昭和48年1月~平成15年3月)
副看護師長、老人保健施設「かがやき苑」(平成15年4月~平成19年3月)
看護介護師長、へき地診療所(平成19年4月~令和5年3月)・看護師長を歴任。
看護師、介護支援専門員、認知症専門士、神石ACP普及推進員、広島県認知症キャラバンメイトなどの資格を有する。